用語解説


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★土蔵

土蔵とは、外壁を土や漆喰などで塗り固めてつくられる、
日本の伝統的な建築様式による保管庫、倉庫のこと。
起源は不明だが、主に火災や盗難防止のために江戸時代以降、多くの土蔵が建設された。
後に、裕福の象徴として建てられることもあり
現在は、伝統的な外観を生かし、商業施設として、レストランやブテイックなどに転用されていることも多い。

耐火性能は優れていて、江戸時代の大火や太平洋戦争中の空襲による大火でも、
内部に火が回らなかった例が多くあり、その耐火性には定評がある。



★左官

左官(さかん 又は しゃかん)とは、
特に日本建築で壁や土塀、土壁、漆喰などを仕上げる塗り仕上げ職人を指す。
近年では、日本建築だけではなく、広く建築関係のモルタル仕上げにも従事している。

かつては、日本建築の壁仕上げに欠かせない職種の一つで、 土蔵の外壁や鏝絵などをはじめとして、技術を芸術的領域まで昇華させる職人が出現していたが、
建築様式の変化に伴い、塗装やクロス仕上げの増加とともに急速に出番が減り、技術も失われた。
しかし、近年、 吸放湿性にすぐれた自然素材への期待や趣のある質感の壁材が見直され、
再び脚光を浴びることになり始めている。



★浮き屋根(置き屋根)

日差しによる昼と夜の急激な温度差や季節による湿度の差を調整し、
蔵の中の温度と湿度の状態をを一定に保つために蔵の屋根は浮き屋根(置き屋根)になっています。
屋根本体との間にある空気層が、日射による室内の温度上昇を防止する効果が高いのです。
下の屋根面は壁と同じ厚さの土や漆喰を塗って耐火構造にした箱型で作られ、
その上の瓦屋根を浮き屋根(置き屋ね)にする母屋や垂木で構成されています。



★塗り込め形式の屋根

土を載せた屋根の上に瓦を土葺き工法で施工したもの。



★漆喰

漆喰とは、
消石灰にスサ、砂、糊を混ぜ、水を加えて練ったもの。
消石灰に水を加えると固まる性質を利用している。
漆喰仕上げは土壁より緻密で固く、防水性が高い。
色は白色の他、墨を加えた黒漆喰、色土や顔料を加えた色漆喰などがある。

漆喰壁は、
日本風では、
下地から中塗りまでを普通の日本壁と同じ様に作り、上塗りのみ漆喰とする壁のこと。
洋風では、
プラスター塗り壁の俗称で、下地から仕上げまでを全て石灰とふのりで練ったものをいう。

磨き仕上げの「本漆喰」、鏝押さえの「並漆喰」、粒子の粗い「パラリ仕上げ」がある。

真捏ね(しんごね)は、
日本風の漆喰壁の一つで、
消石灰をふのりだけで捏ねたもので上塗りしたものをいう。
強度があり、土蔵、土壁、塗屋などの外壁に使う。

京捏ね(きょうごね)は、
日本壁の漆喰壁の一つで、
消石灰とふのりと水を混ぜて練ったもので上塗りしたもの。
真捏ねに比べて安価だが、強度が劣るので室内の壁に用いられる。

塗屋とは、
木骨土壁の耐火建築の一つで、
建物の外部のみを厚さ3~5cm程度に塗りまわしたもの。
柱は必ず隠れるが、垂木は塗りこめられていない場合もある。
桃山時代以降、民家に使われることが多かったが、両側壁のみが塗りこめられ、
正面と背面の1階は木部が露出しているのが普通で、土蔵、店蔵の外壁より薄い。
近世では大壁造りと称されることもあった。



★土佐漆喰

高知県東部の伝統的な左官材料。
大量の塩を加えて精製した生石灰を原料とした消石灰に、
発酵させた藁と水を混ぜて一定期間醸成して作る。
糊を使っていないので、耐候性の高い壁が出来る。
はじめは淡黄色をしているが、スサの発色によって、
1~2年後には白色に変化する。



★なまこ壁

土蔵などの腰壁に用いられる工法。
平瓦を貼り付け、格子状になった目地部分を漆喰で盛り上げて塗る。
格子の状況で、馬乗り型、四半型、亀甲、七宝、いも張りなどと呼ばれている。

大泉


壊れかけた土蔵の一部になまこ壁の状態が分かるものがありました。

大泉


これは、全くの偽者のなまこ壁です。
モルタル塗りの壁に印刷したものが貼ってありました。
時間がたてばこのように剥がれて、また作り直しです。



★砂

砂の役割
ヒビ割れ防止の役割を果たしている。
強度を調整し、塗りやすいボリュームをつくる。



★消石灰

消石灰とは、
石灰石や貝殻を高温で焼いて生石灰として、これに水を加えて消化(水和反応)させたもの。
水練りして塗ると、空気中の二酸化炭素と反応して、石灰石の成分に徐々に戻ることで硬化する「気硬性」がある。



★スサ

スサは、
塗り壁の補強、収縮亀裂の防止や塗り付け時のダレを防ぐために混入する繊維質の材料。
主に「藁すさ」、「麻すさ」、「紙すさ」の3種類が用いられる。
近年では、ガラス繊維、獣毛、食物繊維などもスサとして用いられる。



★藁スサ

藁スサとは、
乾燥した稲藁を短く切ったもの。
土の収縮を穏やかにしてヒビ割れを防止する。つなぎの役目をするこの材料は、
荒壁用は3~5cm、中塗り用は3cm以下、仕上げ用には1cm以下と、次第に細かいものを使う。



★糊

糊は、
海草、すなわちツノマタやふのりなどの海草を左官職人が煮漉(しゃろく)し、その糊分を使うのが正式。
現代は化学樹脂やセルロース糊などが開発されているが、
吸放湿性を妨げない海草糊は見直されている。



★当たり(あたり)

塗り壁の土間塗りで、あらかじめ厚さの基準となる部分を作る作業のこと。
定規塗り(じょうぎぬり)ともいう。



★上塗り(うわぬり)

壁の仕上げ層を塗ること。
土壁の場合は色土に骨材やスサを混入したものや漆喰が使用される。
土壁では、上塗り材を水で練った「水捏ね(みずこね)」仕上げ
糊を少量混ぜた「糊差し(のりさし)」仕上げ
糊で捏ねた「糊捏ね(のりこね)」仕上げがある。



★中塗り(なかぬり)

上塗りの下地になる層を塗り付けること。
土壁の場合、
塗り層の中心になるので10mm以上の厚みで塗ることが多い。



★下塗り(したぬり)

下地に富調合の材料を塗り付け、塗り層と下地を結合させること。
土壁の場合、小舞に荒壁土を塗る「荒壁塗り」をさす。
現在多く用いられているラスボードにモルタルを薄く塗り付けて
表面を中塗り用に荒らすことを「ラス擦り(こすり)」という。



★追い掛け塗り(おいかけぬり、おっかけぬり)

中塗りの後で、水の引き具合を見て、続けて上塗りすること。
水の引き具合が仕上げ材の付着力に影響するため、一度に広い面積を塗ることは出来ない。



★大津壁(おおつかべ)

中塗り後に灰土を塗り、
その上に色土と消石灰、麻スサまたは紙スサを水捏ねした上塗り材を塗り付ける高級仕上げ。
紙スサを使わないで、こてで押さえる「並大津(なみおおつ)」と
磨きの前工程として塗り剤を染み込ませた布で壁面を湿らせる「もどし」を行う
「大津磨き(おおつみがき)」がある。



★こて仕上げ

表面の仕上げを鏝で撫でて仕上げること。
主として、
光沢が出る「磨き仕上げ」
平滑に均す「押さえ仕上げ」
ざらついた仕上げの「撫で切り仕上げ」
粗い面に仕上げる「荒らしもの仕上げ」
の4つに分けられる。
「荒らしもの仕上げ」は
櫛ごてで縞状の模様をつける「櫛引」や
表面を掻きけずって仕上げる「掻き落とし」などがある。




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